ラーメンの大食いチャレンジに行ってきた

駄文タグを付けたうえで、なぜかストーリー調で書く。

今日はラーメンを食べる、朝からそういう気分だった。
正確には、昨日の昼からだ。

昨日はどうしてもラーメンが食べたかった。
しかし仕事で帰りが若干遅くなり、ラーメンを腹に入れるにはちょっと悩ましい時間となった為
「明日は絶対ラーメンだ、大盛りで食ってやろう」と思いつつ、昨日は持ち帰りの丼物でごまかした。

朝になり、私は「今夜どの店で食べようか」なんて考えながら通勤する。
福岡出身の自分としては、とんこつラーメン以外の選択肢は基本的には無い。
東京とんこつではダメだ、生粋のとんこつラーメンが良い。
味の良し悪しはともかく、今の現場付近にはそういう店が何件かある。
そこのどこで食べようか…なんて思いながら、自宅最寄り駅のホームに向かう。

「期間限定!大食いチャレンジ!完食したら無料!」

そんな看板が目に飛び込む。
店は…前に一度だけ行ったことがある。正直な所、私が好まない「醤油ラーメン」の店だ。
しかしながら、頭にラーメンラーメンと思い描きながら歩いていた所に、
そんな看板を見たのだから、どうしても印象に残ってしまった。

夕方になり、小腹がすき始める。今日は仕事も早く終わりそうだ。

どこの店にするか…普通のとんこつラーメンが安牌なのは確実なのだが、
どうしても朝方のインパクトに引きずられる。

期間限定で、しかも「挑戦者求む!」なんて書かれてしまっては…
おもむろにツイッターにつぶやく。

その挑戦、受けてやる!

断っておくが、私は別にフードファイターの人ではない。
食いしん坊な為、人より多く食べる事は出来るが、何かの記録を残した事なんて皆無だ。
今日も別に「特別に腹がすいている」訳でも無かった。お昼も普通に食べたし…。
失敗しても2000円弱、一回飲みに行くよりは安いもんさ、と軽い気持ちで店に向かった。

店に着いた。

駅に看板なんて出したもんだから、もっと人で溢れているかと思ったら、そうでもなかった。
店内には家族連れが1グループのみで、カウンター席には誰もいない。
「本当に大食いチャレンジなんてやっているのか?」そう思いながら店に入る。

「いらっしゃいませー」

店に入るとコルクボードに「チャレンジ達成者」の写真が貼ってある。
今日から始まったキャンペーンだと言うのに、既に10名ほどの写真が貼ってあった。
「意外といけるのか?」なんとなく思ってしまった。

店員に大食いチャレンジをオーダーする。
店員が麺の硬さとか油の量とかを聞いてくる。チャレンジ系にしては緩い。
本来ならラーメンは「全部普通」を頼み、その店が提案する状態を食べるのが私のルールだ。
だが、ここは打算的にも「麺固め、油少なめ」でオーダーする。
まだ完食する気は、この時点ではあったらしい。

オーダーした後、ついでに「量はどの程度なのか」を聞いてみる。
思えば、看板には「大盛りの2倍」としか書いてなかった為、どの程度なのか
さっぱり検討もついていなかったのだ。

「麺が600g、野菜が1kgくらいっすね」

・・・!

おぉ…おおぉ…

麺が茹でる前の分量なら余裕でアウト、茹でた後でもかなり厳しい量を提示される。
特に野菜1kgが厳しい。これならまだ麺のみ1.5kgの方が楽だと思われる。
過去に1.2kgのナポリタンを完食したことがある(それはただの喫茶店。喫茶店…?)が、
その時に一番つらかったのは「味に飽きる事」だったからだ。
野菜(この手の店はほとんどもやしだ)を食べているうちに味に飽きてしまう。

取り皿も貰えた事だし、先に麺を全部食べてしまうか…そう思っていた矢先。

「おまたせしました。今から45分間となります。頑張って下さい!」

(別に店のPRをしたい訳ではないので、店名が分かりそうな所は隠す。)

私がクリスチャンなら「オーマイゴッド」と叫んでいたかも知れない。
なんだこのタワーは。知ってる、もやしだ。

こんなに高く積み上げられたのでは、麺から先に食べるなんて事は出来はしない。
早くも私の心にヒビが入る音が聞こえた気がする。

戦略なんてあったもんでは無いが、(そもそも前準備等一切していない)とりあえず手を付け始める。

まずはこの上に乗っかっている肉を取り皿に分けた。
油分は満腹感を出しやすいというか、こんなぎっとりしてそうな物を最初に食べれば
そりゃ腹はいっぱいになる。

肉を取り皿に完璧に移し、もやしタワーの攻略を始める。
始めの方に食べたせいもあるだろうけど、もやしは美味しい。
もりもりともやしタワーが減っていく。

丼の上面まで、ほぼもやしを食べ尽した。ここまでざっくり5分。
さて、丼の中は以下はほどか、と箸を入れる。
ぐっと箸を入れ・・・重い…わずか5分ほどでだいぶスープを吸ってしまったらしい。
箸の重さから「ああ、もう無理やね」と内心思っていた。

とりあえず丼の中の麺を、取り皿に入れれる分だけ入れる。
今回の場合はスープまで飲む事が条件だった為、さほど意味は無いっちゃ無いのだが、
伸びたラーメンほど不味いもんは無い。

丼の中と、取り皿の中に、ちょうど半分ずつくらいの麺が取り分けられた事になる。

無心で食す。

ある程度分かっていはいたが、麺を食べ始めた時点でだいぶ味には飽きていた。

合計15分ほど経った時点で、丼の中の麺を食べきる。
残りは大量の肉と、約半分ほどの麺。

「凄い早いペースですね!これはいけますよ!」

店員が煽ってくる応援してくれる。
内心、腹はもうはち切れそうだった。

ふと店内を見渡すと、いつの間にか結構多くの客が入っていた。
3,4グループほどだろうか。
どのグループにも「よーし、俺大食いチャレンジしちゃうゾ☆」みたいな人が多い。
私も似たようなもんだが。

取り皿に分けていた、肉と麺の攻略に移る。
最後に肉、と思っていたのだが、正直もう無理だろうと思っていたので、
先に肉を食べておくかと食べる。

・・・味が濃いぃ・・・。

普段なら気にならない程度だろうが、満腹でつらい状況にこの味は、辛さを倍増させる。
油分と味の濃さが合間って、とても美味いと言えたもんじゃない。
(断っておきますが、この時の自分の心境なので、不味いと言ってる訳じゃないです。)

まともに味わってはいられない。

肉を水で流し込む。
まだまだ麺が残っている状況でそんな手を使うようでは…
「敗退」が確実となった瞬間である。

肉を食べきった。残り時間15分。

少しだけ取り皿に分けた麺を食べ…私は店員にこう告げた。

「すいません、ギブアップです。」

「やめちゃうんですか!?まだ時間15分ありますよ!?」

まだ煽ってくるか うん、もうそういうレベルじゃないんだ。色々と飛び出てきそうなんだ。

店員にギブアップを告げたが…胃が痛くて動けん。
前にかがむと出ちゃいそうだ…
水を飲んだりトイレに行ったりして少し休憩…

最後に敗退記念の写真をパシャリ。

急いで家に帰り、一休みして今に至る。

大食いの為に調整したコンディションであったならば、もしかするといけたかも知れないが
所詮は負け犬の遠吠えである。

私はただ、ラーメンを食べたかっただけなのに、なんだか色々と大変な事になってしまった。
思いつきで行動するのは良くないな、と思った一日だった。

コメント

  1. ぎる より:

    思えば「東京とんこつ」の店ではなく「醤油ラーメン」の店だったので、
    一部文章訂正。

  2. 匿名 より:

    頑張りましたね!
    記事を読んでいて途中の
    苦しみが良く分かりました
    味に飽きるって、もうどうしようも
    ない辛さですね!
    最後まで美味しく食べきる
    フードファイターに憧れます。